Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

論文査読中

ようやくというか、今投稿論文の一本目が査読中(メジャーリビジョンでリバイズ)です。


院生になってもう何年も経ちますが、酷いトラブル続きだったとはいえ、いまだに一本もないと流石にどうかという気がします。が、今はあれこれ考えずに通すことだけ考えたいと思っています。


博士のシステムを知らない人向けに説明すると、研究者というのは研究して、学会発表します。その上で専門雑誌に自分の研究成果の論文を掲載します。で、その論文というのが問題で、人によっては博士が終わるまでに何本も書く人もいますが、掲載されるかどうかは別の専門家が匿名で審査することもあり、場合によってはとても時間がかかるのです。昔(今の40代後半程度の先生方の時代)は論文が掲載されていなくても(”論文が通る”といいます)助手になれましたが、今はそもそも応募が出来ません。また、以前は日本語での論文でも御の字でしたが、今は英文で国際雑誌に投稿が基本です。最近では書いた論文がほかの研究者の論文で使われた(引用ですね。)回数なんかもわかるので、ある程度ではありますが分野外の人間でも研究者のグレードが分かってしまいます。


論文主体の研究者評価には批判もありますが、修士‐博士前半位だと指導教官の裁量が大きくなってしまうのでそれで差をつけるのはどうかとも思いますが、基本的には僕は妥当だと思います。というのも

a)スタッフが全く論文を出さないもしくは英文誌にもまったく出していない
b)教授も論文を書いている。プロジェクトも持っている
c)教授もスタッフも論文をガンガン出している、また引用回数も桁違い


の環境を渡り歩いてきた中で、ラボの雰囲気や学生のモチベーションなど、ほぼ比例していたからです。私見ではありますが、ラボの学生にやる気がないと思ったときは、まず自分の研究の質を疑うべきです。無論学生が責任を教員に押し付けるべきではありません。が、スタッフサイドがやるべきことをやっていれば学生も結構元気になります。かつて所属していたラボで、外からみても中からみても、活気がない、学生がラボに来ていないような研究室は、やはりスタッフの論文リストをみると論文が(めぼしいものさえも)なかった…ということがありました。ラボを選ぶ学生さんは前もって先生の名前をまずGoogole ScholarやWeb of Scienceに放り込んで論文数や引用回数も合わせてチェックして判断すると良いと思います。



今はWeb of KnowledgeではなくScienceですね。



というわけで、論文がまだの私は先行きはかなり厳しい状況(というかほぼ詰みの状況)です。まぁ、かなり無理をしてもいいという理由があるから続けているし、それだけのテーマと今の環境に辿り着けたのは運が良かったとしか言いようがありません。