Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

引用文献リスト:文献管理ソフトzoteroのすすめ

論文を山ほど読むようになるとリストを管理するのが面倒になってきます。一流の科学者ともなると引用文献が100本くらいになるので、こいつをどうするのかは非常に大きな問題です。ジャーナル毎に体裁が違うし、できればファイルへのリンクも欲しい。

今まで、EndoNote Webを使ってきました。これだと、ISIで検索した大量の論文を簡単に保存できます。但し弱点があって、こいつは自分のPCへのリンクをはれないのである。おまけにISI以外の論文は保存不可能です。製品版EndoNoteだと可能ですが、こいつは恐ろしく高価でとても学生が自宅PCとノートにインストールできるものではありません。

そこで、最近出たフリーソフトzoteroの出番です。こいつはRif形式かBibtex形式に対応しているFireFoxのアドインの一種で、あらゆる論文の体裁に対応しているばかりでなく、自分で編集もできるし論文以外のファイル例えば新聞記事やウェブ上の写真なんかへもリンクをはれます。もちろん自分のPC上のpdfへのリンクも簡単にはれます。英語日本語どちらも対応しています。

ISIで検索した論文はEndoNoteに保存できますが、そのときにBibtex形式を選択すると、zoteroでも読み込める。さらにありがたいのが、EndoNote Webで保存した大量のリストを一括してBibtexで出力してImportすると自分で編集可能な情報リストが一発でできるのである。まともな研究者なら論文リストが研究一つで軽く100を超えてしまいます。そうした論文のpdfがどこにいったかを探すのに無駄な時間を使った人は多いはずです。ちなみに論文一つだけを登録したいなら対応しているページだと自動的に書類の形のブックマークボタンがアドレスバーに出てくるので、それをクリックすれば簡単に登録できます。

さらに、zoteroはpdf内の文書まで検索可能なので、必要な情報が含まれているファイルを探すのも非常に楽です。

研究というのは過去の業績の丹念な読み込みと絶え間ない思考の反復によって積み上げられていくものです。論文リストはその作業にかかせないものですが、こいつの管理にかかる時間ははっきり言ってまったく馬鹿になりません。が、zoteroを使うとついこの間までいちいち手入力していた情報や、あっちゃこっちゃ探していたpdfを一発管理できるようになります。おまけに投稿時の体裁まで一瞬で整えてくれます。

ぜひお試しください。