Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

オストリアへの道

 せっかく地球科学系のみなさんの関心(?)がこのネットの辺境のブログに向けられているので、そろそろETOMOのことについて覚えている範囲で書こうと思います。このプロジェクトは担当していただいている教授が2008年にNatureに出した論文の仮説を証明するプロジェクトの一環でアクセプトされたものでした。環境保護団体に目をつけられたりというトラブルはあったものの、天候などには非常に恵まれた地震探査でした。

 場所はJuan de Fuca Ridge(ファンデフーカ海嶺)というかなりメジャーな場所で、カナダ領海にあります。港はオストリアという海賊伝説(?)で有名な場所*1でした。僕の通っている学校はEugeneという場所にあるので、そこからクラスメートの女の子の車で半日ドライブでたどり着きました。
 初日は急ぐ必要はないということで運転してくれた女の子と僕と日本で言うD2の学生さんと、イギリスからの留学生の女の子との4人で海辺にでてドライブという旅程でした。
 中学から大学(採鉱)に至るまでほぼ男子校の僕としては驚異的なジェンダーバランスだったわけですが、落とし穴があって、ネイティブ同士のトーク全く付いていけず、半日ドライブの中、他の3人が談笑しているなか


”人が周りにいるのに一人ぼっち”


 という逆説的な状況に追い込まれていたりします。日本では留学生とか結構いる部門だったのですが、英語で彼らとのやりとりに苦労したことは全くなかったので正直これはショックでした。が、


それは、まだ苦難の道の序章に過ぎませんでした。


ルート。実際はすぐにユージーンから西に出ています。


 のんびりドライブを楽しんできなさいということで、途中港に寄ったりしてみました。日本ではあんまり聞いたことないですが、こっちの海岸は場合によってはこんなばかでかいトドがお昼寝しているのがみれます。豊かなワイルドライフがここ西海岸の醍醐味ということで”おまえ勉強に来たんだろう”という突っ込みもへったくれもない感じでボーっとみとれていたりしました(かわいいので見飽きないのですよ)。


 僕の身内みたいに雀をみて"焼き鳥が飛んでいる"というようなココロがすさんだ人”食ったらうまいのかなぁ”という野蛮なことを考えそうですが、このトド君たち(ちなみに英語ではsea lionといいます)は毛皮と食糧目的で乱獲されてきた歴史があるので、そんなことをかけらでも思った方は


心から反省してください


すみませんでしたm(_ _)m (おいっ!)


 そういえば火山観測に行ったときに教授(名前は伏せておきます)が"あの雀やいて食べたらおいしいんだろうなぁ"と言い出して"先生!病んでます!(゚Д゚)"と突っ込んだことを思い出しました。
 オーストラリアに行ったときも”カンガルー肉食べてみたい”と目を輝かせていた助教の人いたなぁ…


 晩御飯は寿司でも食べようかということで日本だったらどちらかというと中華料理店のできそこないのような中途半端なインテリアのお店でご飯を食べました。実はこのとき現地についてから自転車やら家のデポジットやらで手持ちの現金が付きかけていて冷や汗を流しながら食べていたわけですが、そんなことは内緒です。
 そんなこんなでオストリアでLamont Doherty Earth Observatory地震探査船R/V Langsethとの対面になったわけです。

*1:うそです。アメリカでは有名な映画グーニーズの舞台で、海賊伝説がそこにあるという設定。映画の舞台によくなっている土地です。