Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

ETOMO Saga

RIDGE2000 -熱水系でまわる世界-

先日教授の計らいでRIDGE2000という、”海嶺”とよばれるプレートが出来ている部分を中心に活動している研究者の集まりに参加しました。宿泊費はなんとRIDGE2000の負担です。RIDGE2000のミーティングでは、専門誌の特集号の企画や、レビューの執筆の段取り等が…

Lucky? Unlucky?

"Japanese entrance examination" Can you imagine what it is ? It is very competitive like "the Imperial examinations" in China. In USA, the most important thing for academic carrier is the final schools or degree. However, that is the resul…

終わらない誕生日

なんと教授の誕生日は航海中でした。もう、かれはスポンサーです。当然みんな気合い入れてお祝いします。とはいっても嫁さんの○ミリーはそんなにお金を使うタイプではありません。教授もあまりお金を使いたがる性格ではありません。もっと言ってしまうとUWの…

OBS・・・回収しますっ!

エアガンを打ち終わると回収開始です。実際には数週間かかっています。30×40kmの領域をえっちらおっちら密にエアガンを打っていくのでそれなりに時間はかかるのです。海の中は電波が届かないので特殊な波長の音波を出してOBSを海上まで浮上させます。このと…

太平洋中央海嶺の幻想

メインラボの隅っこで作業していると○ミリーがやってきました。”Run,メインブリッジに行ってみなさいよ。綺麗だから。” ”(へーどんなもんだろう)いいんですか?” ”こっちのログはとっているから。 一緒に行こうか?” ちょっと待ってほしい。これではまるで…

ありふれた恐怖

食堂で共同首席研究者のW先生としばし歓談“How are you?”と聞かれ指を見せると最初は意味が分からなかったらしく、きょとんとしていたのですが、すぐに “そりゃよくないよ。船長に診てもらったほうがいい” ふらふらしながらメインラボへ。早速UWの学生に“…挟…

ありがちな台詞”この技だけは...”

さて、僕に下された特命とは何でしょうか。 地図書き です。といってもえっちらおっちら手で書く訳ではなく、地質屋さん御用達の地図描画ツールGMT(Generic Mapping Tool)というハワイ大学で開発されたツールを使って書きます。こいつはフリーソフトの上にLi…

そこのドアにある危機

ゆれに慣れているとはいえ、やっぱりしんどいです。何度も書きましたがふらふらしながベッド周りを這いまわる生活になります。しかも、いきなりドンとゆれがきたりするので、いつでも注意しなくてはなりません…が、油断してしまいました。確かシフト前でシャ…

海底に向かって撃て!!

さて、いよいよお待ちかね、海底への地震波の発射です。地震波というと聞くだけでなにやら危険な響きがありますが、波のエネルギー自体は人が感じることが出来ないくらいの小さい地震程度です。そんな小さい揺れをセンサーが感じ取って海底の神秘を解き明か…

エアガン充填開始

ちなみに海上の地震探査とか聞くと ダイナマイト爆発させるんですか? って思う人もいるかもしれませんが*1海底の地下構造を知るにあたっては特定の周期の波動(音ですね)が必要になるのでエアガンという巨大オタマジャクシみたいなやつを使います。正確に言…

美しすぎる朝焼けの中で

地震探査というのは単に地震計の設置だけではなくて、データを補正するための情報も取得しておかなくてはなりません。海の温度測定もその一つです。"なんじゃいそれは"という感じですが、水温によって音の伝わり方に差が出てくるし、海底までの温度は結構変…

困難とは・・・乗り越えるためにあるっ!

さてさて、もう離婚寸前の僕らでしたが、ここであきらめるわけにはいきません。なにせ彼女とはこれから2年間は顔を合わせるわけですから、なんとか関係を修復しておかなくてはなりません。実は彼女とだけではなく、他のスタッフからも敬遠されるような目に…

世界の中心であいを叫ぶ

僕が針のムシロに座ろうが、声にならない叫び声をあげようが調査は進みます。 逃げれません。(TДT) しずみこんでいるのですが、こういうときに話しかけてくれる人は大事にしなくてはなりません。シフトが始まる前に食堂でポツーンと食べていたら、向こうから…

アメリカ的問題解決の建設的な態度

訳 問題:分別が適切に行われていない 解決策その1 主席研究者が分別方法を学び、プラスチックごみを適切な場所に捨てる。 解決策その2 ごみを直ちにまとめる。その後、アルバーニ港のカナダ当局にごみを引き渡したうえで、某環境保護団体及び関心のあるNG…

禁断の果実の味は

さてさて、初日ダウンのトラブルはあったもののなんとか手に仕事をつけた感じにはなってきたのですが、実は結構大きめの問題を抱えておりました。 英語が通じない そうです、船の中ではみんなマシンガントークなのですが、ネイティブ同士の会話についていっ…

めくりめく揺れの中で

船酔いで一日ダウンしていた僕は部屋がおんなじだった○ロイさんから一日効く船酔いの薬をもらって翌日ふらふらになってメインラボに出て行きました。僕のしょぼくれた顔をみた教授は "船酔いは誰にでもある。気にするな(キリッ" との事。こういうところはバ…

俺たちとはレベルが違う

調査船といったら基本的には密室空間に缶詰になるのでなにか余興というかお楽しみを持っていくのも結構重要になってきます。日本だとこういった業種はジェンダーバランスが著しく偏っているため、ここに書いたら女性読者からの突き上げを食らいそうな書籍(…

船酔いを乗り越えろ!-生き延びるために-

船の上で生活することは終始船酔いとの戦いになるわけですが、対処方法はいくつかあります。 その1 リストバンド リストの血管を抑えて船酔いを止める。女の子が持ってきていた。が、とちゅうからはずしていたのでこのような極限状態ではあんまり効果はない…

太平洋版船酔いってこんな感じです。

基本的に中くらいの船で外洋にでると四六時中船酔いとの戦いになります。慣れてなかったり薬を切らしたりするとノックアウトされてしまいます。僕が最初にやられた時は揺れが結構ひどい時で、寝ててもそれなりにきついです。胃の中に物がなくても気持ち悪く…

こ…こいつは! こいつは! こいつはやばいッ!

ぼつぼつデッキでワシントン大学の学生さんと話をします。なんでも彼は結婚1年目で嫁さんは某M社で会計をやっているそうです(しかもあとで写真と実物見たら綺麗な人だった)。こっちの大学院生は普通に結婚しています。相手も基本的に働いているか勉強してい…

向かえ!天国の時

訴訟のほうは心配いらないということで、あまり心配せずに準備がすすみ、後は出港を待つばかりです。陸での最後の日は海辺の食堂でご飯を食べました。 Wilcock先生、ごちそうさまでしたm(_ _)m ここは高くて断念 最初は別のところで食べようとしていたのです…

お前達、覚悟はいいか?俺は・・・

さて、そうしているうちに訴訟のほうはなんとかなりそうということで荷物の積み込みやミーティングが行われます。一応ちゃんと裁判所のほうから仮の許可が出てからいこうということで予定より出発は一日遅れでした。オストリアではモーテルに泊まっていたの…

出発前のShort Break

グーニーハウス。アメリカ人には超メジャーなクラシックムービーらしいちょっと書きましたが。オストリアは風光明媚な港町です。出発までちょっと時間があったので半日ほど展望台やらグーニーハウス(映画の主人口の家?みたいです)やら喫茶店やらに行って…

Romance Dawn -冒険の始まり-

実はオストリアに到着した時点ではまだ裁判の判決は出ていませんでした。とはいうものの、準備はしなくてはなりません。船に荷物を運び込んだり必要なものを買いだしにいったりなどして3日ほど過ごしました。 Langseth船中より。結構大きいです。 出荷(?)…

オストリアへの道

せっかく地球科学系のみなさんの関心(?)がこのネットの辺境のブログに向けられているので、そろそろETOMOのことについて覚えている範囲で書こうと思います。このプロジェクトは担当していただいている教授が2008年にNatureに出した論文の仮説を証明するプ…