Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

俺たちとはレベルが違う

調査船といったら基本的には密室空間に缶詰になるのでなにか余興というかお楽しみを持っていくのも結構重要になってきます。日本だとこういった業種はジェンダーバランスが著しく偏っているため、ここに書いたら女性読者からの突き上げを食らいそうな書籍(?)も”未確認情報”ですが、持っていくとかいう話がありますが、アメリカの研究船内だとジェンダーバランスがそこまでかたよっていないため、そうもいかなくなります。


研究船内には図書室や映画の視聴室があって、空いた時間をそこで過ごすこともできます。ちきゅうに茶道室があるのがちょっと話題になったことがありますが、あまり華美で不適切な金額をかけていないのであればそういったレクリエーション施設は結構重要です。しかもちきゅうの航海って2ヶ月とか考えられないくらい長期ですし。さてさて、みんなどうしているのかなーと周りをみまわしたのですが、そこである驚愕の事実に直面します。そう、


奴ら、活字文化がめちゃくちゃすごい





イギリスからの女の子なんか笑顔でトルストイの気が遠くなるような本を平らげてしまっていたし、助教の先生もジョージエリオットの短編集とか堅派の僕でもぎょっとするような本を平気な顔して読んでいます。船員さんも推理小説とかばっかり手に取ってよんでいました。日本とかだと大学生でも漫画本読んでいたりしますが、そんな光景になれていたためものすごい逆説的な違和感を感じたものです。
教授の家にいった折にも子供たちがもう、がっつくように本をよんでいてすごいなーとおもったものですが、教授曰く


”うちにはテレビないんだ”


それはまぁ極端な例としても、こちらの方では本当にみんな活字に親しんでいるなという印象を受けます。
よく”最近の若い奴ら漫画本ばっかり読みやがって”みたいなことを聞きますが、実はおそらく日本だけです。海外ではアニメとかは基本的にテレビの中だけのもので、本や雑誌といった印刷媒体では販売されていません。販売されているのは


日本の”Manga”


Comicじゃなくて漫画がそのまま使われています。そう、日本の漫画はすべてではありませんがここアメリカでも1ジャンルとして認知されているのです。そんなことを書くと”なんだよー日本人がそっちのほうばっかりシフトしているみたいじゃないかー”という気がしますが、実はそうではありません。こちらに来てとあるものを探していたのですが、みつかりませんでした。そう、


新書本がない


そうなんです。まぁ確かにビジネス書籍とか自己啓発とかの書籍はあるのですが、日本のように新書や文庫といったクオリティの高い本がまとまった形ではおいていないのです。ですので、気軽に”善の研究買おうかな”なんてのりとはほど遠い訳です。ですので書籍は大半が小説、つまりペーパーバックです。日本のような書店のスタイルは実はかえって日本の文化の多様性を反映してガラパゴス的に発達した文化の現れだったのです。