Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

ありがちな台詞”この技だけは...”

さて、僕に下された特命とは何でしょうか。


地図書き


です。といってもえっちらおっちら手で書く訳ではなく、地質屋さん御用達の地図描画ツールGMT(Generic Mapping Tool)というハワイ大学で開発されたツールを使って書きます。こいつはフリーソフトの上にLinux, Windows, Mac(Macのシステム自体はLinuxなのですが)どれでも動く優れものです。出力される地図やグラフはPost Scriptなのでpdf化されている論文と非常に相性が良く、地球科学系の人間には愛用されております。ところがですね、


シェルスクリプト*1を理解していないと全く使えない


というホネのある代物でして、使い手を選ぶ印象があります。但し、博士位の学生なら大体使いこなしています。実は僕は追放処分をくらった研究室がこいつをよく使っていたこともあって、一通りは使えるようになっていました。今回の航海も例によってGMTで研究計画図を描いていたので、レポート用の作図を”僕が、やります”という流れになっていたのです。

GMTのwebページ。僕がつくった図は論文が出た時のお楽しみということで♪


計画図でもう描いているならいいじゃないかという方もいらっしゃるかもしれませんが、研究ですので、実際に船がどう動いたか、OBS設置時のGPS情報などは改めて正確に描く必要があるのです。UWの院生はちょこまか忙しそうでしたし、教授以外で出来る人間は僕だけだったのです。日本で習得した技術をこんな形でお手伝いに使えるとは、正直何とも言えませんでした。おまけに僕が描いた図はレポートが公開されたり論文が出た暁には大勢の人間の目に触れることになるのです。


オイシいです


このあたり、僕が自分を蔑んでいる所以です。でもMatlabいじったりするのは案外手間がかかったのでそれくらいの役得はいいのではないかと。

*1:パソコンに入力する命令をまとめたファイル。これを使うと自分がやりたいことを自動的にパソコンにさせることが出来る。