翌日も最高のオレゴンブルーが天空に広がっていました。
まずは普通のコースからです。とはいっても中級も滑れるようにはなりたいので、リフトにのっかっているときにコースを確認します。
“まぁ、やってみるか”
初日の白銀の大地との熱いキスの赤い記憶が生々しい僕にはちょっと冒険でしたが、結構なお金をはたいているので中級コースは滑れるようになりたいのです。
…覚悟を決めて、
中級者への多分一歩…いや、一滑りを始めました。
“なんとかはいけるか…って”
ボフッ
(…僕の体、跳ねた…?)
数秒後にはバラバラのスキーと自分の体が比較的急斜面に転がっていました。通りがかりの人が拾って届けてくれました。すんません…
が、急斜面にもてあそばれる過程でなんとか曲がれるコツを段々つかんできました。
コースはまだちょっと不安なのでリフトで確認したルートのみです…がこいつが曲者で、前日練習した斜面に出る前にモーグルばり(?)のデコボコ急斜面が待ち構えているのです。
“ま…まぁ、なんとかなるかな?”
問題の地点までそろ〜りといって、滑走開始。
“よし、なんとか滑れる・・・・ジャンプ?????”
なんと、仕上げはかっこよくジャンプを決めるためのアップヒルが備え付けられてあったのです。無我夢中で姿勢を低くして2m位飛びました*1が、数秒後、また、バラバラになったスキー用具と一緒に地面に仰向けになっている自分がそこにいました。
“ノルディックスキーのジャンプって、何メートル飛ぶんだっけ*2”
そんなことを考えていると何やら僕を呼ぶ声がします。いえ、別に死にかけてたわけではなくて、たまたま上級者グループがリフトに乗っかっていたのです。後で聞いたところによると、その急斜面で僕はとても5日目とは思えない高速パラレルターンを華麗に決めていたらしいです。いえ、本人は
生きるために必死
だったのですが、なんというか、本当に死に瀬したときに生き延びようとする必死さは人を変えるエネルギーになりうるのです*3。折角来たのです。初日に醜態を見せた場所位はすべれるようになりたい…
どうやらこの苦難の大地で僕は確実に成長できたようです。