Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

あらゆる意味でバックアップ -python活用事例-

  • 計算・描画環境
  • ネット・サーバーへのアクセス
  • ラボノート(なんらかの研究記録)

研究をやる上ではこうしたものを維持管理するのは欠かせませんが、同時にどうバックアップしていくかも大切になってきます。
留学中、とある日のこと...

"んっ?"

なんと電源は入ってログイン画面までは行けるけど、ログインが出来ない...
ひとまず留学中は復旧できて、しのげましたが、帰国後まもなくして絶命してしまいました。その時復旧できたのはいいのですが、不安定な環境で計算を走らせたりなんかはできません。そんな状況で活躍したのが、まさかのとき持ってきていた箱型のwindows PC + cygwin + pythonという組み合わせでした。たまにmacでやりつつ、メインは快適に動いているPCで、ストレスなくしのぐことができました。pythonは私はanacondaというパッケージ化されたものをインストールしていますが、これならタダ処理の並列化も含めたかなり高度な計算環境と、計算結果の出力の描画環境を簡単にいくつも作ることができるのです。

本当にあった怖い絵

私のようにデータを扱う研究者はPCさえあれば極端な話大学に行けなくても家で研究出来てしまいますが、逆にPCが壊れてしまうと何もできない状況に陥ってしまいます。複数マシンがあればよいのですが、研究の要の計算環境はmatlabのような有償プログラムだとコストがかかってしまいます。おまけに、matlabはアカデミックじゃないととんでもないお値段します。つまり大学から出た場合、研究続行というよりもやったことさえも出来なくなるリスクもあるわけです。もちろんmatlabは優秀なソフトですし、開発をmatlabに依存している研究者も多いですが、pythonのようにクロスプラットフォーム開発が可能かつ"枯れた"技術で構成されている計算環境なら、データだけでなく研究環境もバックアップできます。緊急事態はあまり考えたくないけど、そういうことも頭に入れておかないとなと最近良く思います。