Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

科学と言語

”日本がノーベル賞とれているのは日本語で教育しているからじゃないのか?”


フランスに来て言葉と科学について考える機会が増えました.フランスのサイエンスは何語なのか.


”フランス語”


です.いや,もちろんラボミーティングで僕がボスと話す時は英語なんですが,なんか英語やだなーオーラ*1がボスからでているのがじわじわわかります.私も私でフランス語とりあえず3級まではとっているので


"僕の前では遠慮無くフランス語しゃべって下さい"


と,宣言したので,もうみんな容赦なくフランス語を喋っています.最初は殆どダメでしたが,折り返しを過ぎた最近は聞き取れる単語が随分増えました.ただ,ミーティングはフランス語,議論もフランス語メインなのですが,教科書も含めた文献はみんな英語なんですよね.つまり,日本以外のアジア諸国と似たり寄ったり
日本だと全てではないですがメジャーな教科書の場合訳本がある場合が多いです。例えば地震学だと


地震学―定量的アプローチ

地震学―定量的アプローチ

Quantitative Seismology

Quantitative Seismology


しかしフランスだと英語への敷居が低いからなのか、ありません。おそらく大学以上の教育を受けている人には必要ないのでしょう.
また、ヨーロッパの人にとっての英語のハードルとアジア圏の人にとっての英語のハードルは根本的に違うなと感じています。というのも、フランス人と話していると結構基本的な単語が出てこず、考え込むシーンがたびたびあるからです。しかし、どれほど単語が少なくても口から出てくる英語は私の雑な英語とは比較にならない感じです。


フランスは先進国ですが,2000年代以降は日本もノーベル賞を普通に取るようになっているので,最早言語と科学の関連については単純比較はできないかもしれません.そんなことを考えながら、自分のアイデンティティがどう変わっていくのか怖くも、楽しみでもあります。

*1:私の英語が粗末だからなのも理由