Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

日本人の、日本人による、日本人のための万年筆

"むしゃくしゃしてやった。さすがに深く反省している..."



や、やってしまいました。とうとう日本製の万年筆を買ってしまいました。暫く霞を食べて生活したいと思います。モレスキンもぽちったのは秘密です。


本当は○マゾンで安くすませようとおもっていたのですが、手持ちのペリカン トラディショナルM200をふとみると、はや4年。まだまだバリバリ現役な状況から察するに

"...多分買ったら30代通してずっと使うな..."

というわけでしっかりしたお店で買う事にしました。

で、気づいたら金ペン堂にチャリを走らせる自分の姿があります。このお店、かつては知る人ぞ知るといった感じだったようですが、今はぐぐれば一発ででてきます。


目当ては来店の時点で決めていましたが、せっかくなのでペン先の細さなんかのチェックに同じPILOT製の万年筆(多分カスタム74)で試し書きさせてもらいます。どさくさに紛れてペリカンスーベレーンも試し書き。うむ。ロイヤルブルーの発色がたいへんよろしい。


ペリカンのフラッグシップ。弁理士試験だとM400が定番の一つだとか。


結構数式とか大きい字も書くので細字にしようかなと考えていましたが、日本製EFも(少なくともこのお店で調整したものは)安定しているというか、自分には使いやすい細さだと感じたので、結局EFにすることにしました。ただ、最初はダークマイカという色を考えていたのですが、この色はEFがないらしく、無難な黒を選びました。

"インクはどうされますか?"
"色彩雫の月夜を考えてるんですけど..."

"あー、手入れの手間を考えたりとかすると、まずは普通のインクが使いやすいですよー"
"色がついてるインクを使うのなら安めのやつを買われてそちらにしたほうがいいです"

なるほど。こちらも愛用の高パフォーマンス万年筆"カクノ"を使えばすむ話ですし、なんといっても万年筆の名店のアドバイス*1。結局普通のカートリッジ式のブルーブラックにしました。色彩雫の発色も魅力的ですが、実はPILOTの普通のブルーブラックは評判がいいのと、デシモがちょっと癖がある作りなので、インクの量も多いカートリッジ式が使いやすいと聞いていたのです。



デシモはコンバーターの透明部分がほとんど隠れてしまうので、インク残量の確認がしずらいのです。

"お渡し前に仕上げの調整をいたしますので、受け取りはいつがよろしいですか?"


まぢか。ここ金ペン堂は販売は定価なのですが、追加料金なしで一流の職人さんが使いやすいように調整しているのですが、さらに追加で仕上げの調整してくれるのです(値段帯で少し調整が違う模様)。日本製だからそのままでも十分なのでしょうが、


(やだ、超テンションあがる....) (*´Д`*)


受け取りは翌日で、その日から早速野帳やら手持ちのラボノートやらで書き味使い勝手を試しています。使い始めてみるとペリカンの古典ブルーブラックと違って、モレスキンとはやや相性が悪いかなという印象を受けましたが、トラディショナル M200と違いちょっと考えながら書いていたり、エアコンの風があたったりしてもペン先があっという間に乾いたりもしないし(10分くらいほっておいても無問題。ただ、ちょっと色が暗くなります)、書き出だしも滑らか。さすが日本製の万年筆•インク、いろいろな所が本当によくできています。この万年筆とインクを選んでよかったとおもっています。


いやはや、たかが文房具ですが改めて日本製の凄さ東京の職人文化をまざまざと見せつけられた気がします。
万年筆といったらモンブランですが、なんでもモンブランは高級ブランドグループの傘下になったこともあり、ここ10年位で実用性というより、高級路線に方針を変えてしまったらしく、その点万年筆のようにニッチ化した文房具にも手抜きせず技術開発を惜しまない日本の物作りはたいしたものだなーと。


少し話題になった万年筆の動画。これはPILOT製のエラボーだそうです。

ブランド指向の万年筆....いや、これなら超円高の時に位欲しい....

*1:とはいっても、実際は色彩雫もPILOTの純正インクなので、何の問題もないようです。