Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

 Mission Impossible "オーブンレンジを探せ"

このブログの数少ない読者がどの程度現在のオーブンレンジの現状を認知しているかは知りません。実は今から2年ほど前、僕はオーブンレンジを新調しようとしました。というのも大学にはいってオーブンレンジを買ってもらったのですが、こいつは

クッキーが生焼けになる

位威力が貧弱だったので、プリンとか微妙なお菓子を焼いたりあるいはシュークリームみたいに難度の高く、温度調整が微妙なお菓子には著しく不向きだったのです。そこで、まあ予算があまったことだし、買おうかということになって、電気屋さんを回り始めました。そこで僕は現代の日本の電子レンジ市場の異常なレベルに気付くことになります。びっくらこきました。いやー今の電子レンジってもう想像を絶する機能がいっぱいです。


TOSHIBA スチームオーブンレンジ 石窯オーブン30L シルバー ER-G8(S)

TOSHIBA スチームオーブンレンジ 石窯オーブン30L シルバー ER-G8(S)

  • 回らない(これはカルチャーショック!)
  • スチーム機能付き(当時は過熱蒸気からスチームに切り替わる途中でした)
  • 石窯っぽく加熱できる
  • 温度計測したうえで解凍


どうなっているのだとしか思えない充実ぶりです。温度計測して解凍なんて、もう実際つかってみると気持ち悪いとしか言いようがないです。もちろん発酵なんかもOK,自動メニューでシュークリームなんかの温度調節までやってくれるというあたりわけがわかりません。しかも値段がそんなに高くない。3万ちょっと出せば型落ちの贅沢なものが買えてしまいます。
近くの電気店で購入してご機嫌で店員さんに家まで運んでもらったことを思い出します。このハイレベルレンジのおかげで調理自体は随分楽になったのは言うまでもありません。


さてさて、こちらに来てちょっとびっくりしたことの一つがどこの家にもばかでかいオーブンがついているのです。多分サンクスギビング七面鳥を焼くためだと思いますが、こんなでかいオーブンは日本ではなかなかお目にかかれません。ただし、過熱がコイル方式です。買うか買わないかは別として、探してみることにしました。


が、ない


そう、日本のオーブンレンジは日本というガラパゴスのなかで独自の超絶進化を遂げた代物だったのです。温度計測&スチームレンジなんて、置いてありません。もとい家電用品店が、日本みたいにどこにでもない。日本ではヤマダ電機ベスト電器ビックカメラヨドバシカメラなど、ちょっと大きめの都市に行けば家電用品店がしのぎを削っていますが、こちらではせいぜい日本で言うホームセンターみたいなところに必要最小限のセットが売っている位です。なんと。
アマゾンで探してみますが、高い。同性能のものが日本より1万〜2万位高いのです。結局ばかにしていたオーブンがきちんと温度調節できるとわかってこの話は1件落着(あ、でもタイマーなんて付いてないですよ。)だったのですが、こんな身近な所でも差があるのだなと思った次第です。


 ちなみに、こっちの人は恐ろしくものもちがいいです。いったいどうしているのか想像もつかないのですが、日本ではありえないくらい旧式の車・電子レンジ・冷蔵庫がバリバリの現役で活躍しています。教授の部屋の電話、ぎりぎりでプッシュ式です。なんだか10年よりちょっと前の日本のオフィスを覗いたようなノスタルジーに襲われます。
 アメリカと聞くとなんでも最先端・使い捨て当たり前のような印象を受けますが、案外そうでもなくて、結構みんな大事に物を使っていたりします。こういう些細なところはこちらに来ないと分かりませんよね。


 ちなみに、僕のオーブンレンジは、渡米時には持ってこれなかったのですが、現在大学入学時のオーブンレンジはばあちゃんちで、新調したスチームレンジは妹が就職した際に”にーちゃん、ちょうだい”問答無用で持っていてしまって、多分大事につかってくれているはずです。