愛犬の事
僕の実家では犬を飼っていました。小学校四年生位のときに迷いこんできた母犬の子犬(雄)で、多分今年で13歳、人間で言ったら70ちょっとのおじいちゃん犬でした。子犬の時、小さかったので"チビ"という名前になりましたが、親犬の体格が大きかったので成犬になってからはあんまりチビらしくなくなってしまいました。
家族みんなでかわいがっていた犬でしたが、今日息を引き取りました。
思い出は尽きません。雑種だから見慣れない人や動物には吠えます。ちょっと危なっかしいこともありましたが*1、その分ちょっとしたホームセキュリティになってくれました。やっぱりそれなりに吠えてくれる犬は頼もしいのです。反面、飼い主にどこか似ていて不器用で、おっとりした所をもっている犬でした。散歩につれて行くときは、嬉しそうに首を振って、散歩用の紐の交換をなかなかさせてくれませんでした。いざ紐を変えて散歩に出発するときはくるくると回って喜んでいたものです。
大学受験、浪人中と自分の運動も兼ねてマメに散歩に連れて行っていたので、僕が大学に進学した時には別の犬だろうかという位しょげかえっていました*2。
つい先日帰省した折に久しぶり(実に2年ぶり)に僕をみて、なんだかお化けを見たような目を合わせきれない微妙な態度(でも吠えない。ちゃんと覚えていました)をとったのは忘れられません。あんまり元気そうでもないから餌をやったり、散歩に連れていったりとしましたが、結局それが最後になってしまいました。特段苦しんだりもせず、まさに大往生でした。天寿を全うしてくれました。
最近は昔から大事にしているものが時節の移り変わりで消えたり、無くなったりすることが多いです。少し物悲しく、切ないです。でも、僕の心のなかにある良き日々の思い出は、決して色褪せないと思っています。心を枯らさないように、大事にしたいと思います。