Kalessin Action ― The Never Ending Endeavour ―

地震・火山専門の研究開発員のブログ。あららぎハカセ(理学)。つくばで高いところに行くモノ🛰の中身を作ってます。

あの日みた雪の続きは- 魅 ! 学士山その5-

車の準備はどうしようかと思ったのですが、乗っけてもらえることになりました。これで交通費はほとんどただです。車はデパートメントの博士の女子学生Kさんの婚約者(Jさん)が運転してくれました。なんでも今年の夏位に結婚するそうで、あっちゃこっちゃでパーティをするみたいです。僕の他には中国人のHさんが乗ってて、結構話をふってくれるので随分楽でした*1。まぁ、一人暮らしはあの手この手で炊事は工夫するみたいで、結構盛り上がってました。そこで気付いたのですが、どうやら中国では


バターを消費する習慣が、ない


とのことで、かなり大きなデパートには確かに売っているのですが、日本で言うブルーチーズ(?)みたいなノリみたいです。これはちょっとどころではない位、お互いにびっくりしていました*2


ドライブは2時間半位でした。ちょっと道には迷ったのですが、結構手軽な距離です。泊まる家はこのとき直にみたのですが、びっくりするくらい綺麗で、キッチンはガスでした。USAは基本的にコイルなので、非常にうれしかったです。結局2泊+1泊(おまけ)だったのですが、30人くらいで結局一人30$でした。便利な所にこれだけ安く泊まれるのはOregonという田舎ならではといえるでしょう*3SunriseSunriverというリゾート地だったのですが、周辺にはこうした場所が結構あるようです。その日は、前日まで結構詰めていたのもあって早めに寝ました。

明け方は結構冷え込んだように思います。お約束というか、スキーにはばっちり霜が降りています。適当に朝食を食べて9時位に出発したように思います。


Mt. Bachelorにつくと、本当に気持ち良いオレゴンブルーの空が全開!


Jさん曰く、これほど晴れ渡っていることは珍しいとのこと。やったぜーテンションあがるなー
時流なのか、メンバーの大半がスノーボードでした。ちょっと気になったのが・・


"あれ、みんなヘルメット…?"


実はレンタルの時にヘルメットかりますかと言われたのですが、"そんな大げさな…"と思ってレンタルしなかったのです…、がほぼ全員ヘルメット装着の模様です。何かおかしい・・・・
そんな一抹の不安を抱えつつ、チケットブースのところまで行ってスタンバイしていたら


“Run,君はGreatなSkyerかい?”


もちろん、YESといったら命にかかわるでしょう。初心者向けのコースを滑る人が何人かいるみたいなので、そちらに合流するといいといわれました。とはいっても、待ち時間が短いリフト、みんな消えてしまっていました。


リフトはそんなに混雑していません。


"…スキーは7年ぶり、とりあえず試運転しよう。"


(よし、曲がれるし、止まれる


さて出発。白銀の世界に否応なしにココロが踊ります。…が、山頂に着いた時点で、自分が地図何ももってきていなかったことに気付きます。が、恐れを知らない*4とは恐ろしいものです。


どうにかなるだろう。一番直線コースをとるかな”

“結構いけるじゃないか…ってスピード出すぎだ…


!!!!!!


なんと、止まり損ねてこけようとしたのはいいものの、急斜面でのブレーキ技術がなかったため、顔面を強烈にぶつけて叩きつけてしまいました。


“いってぇな・・・・んっ”


が出てら…


なんと、開始早々唇を切って流血。何年ぶりでしょうか。しかも

“左手の親指…痛い(≒軽い捻挫)”

無知とはおそろしいもので、僕は人は重力には逆らえない現実と山が人に牙をむくことの意味を知ったのでした。幸いなことにジャケットとズボンはまったく無傷のようです。さすが値段分だけある。

…が、それからは悲惨です。なにせコースは中級者向け*5です。上級者のパラレルターンがうまくできませんからコントロール全く効きません。これは


恐怖


です。もう、必死にコースの端っこでなんとかブレーキが利くところをよたよた行っていました。斜面に横向きにすべればいいじゃないかとおっしゃるかたもいるかもしれませんが…


止まれないのです(号泣)


やっとこさふもとが見える(つまり、通常のコースは林の中を通るので、下までのコースが分からない。巨大スキー場のスケールが初心者に襲いかかる!!)直線コースに出たのですが、


滑れない(TдT)


ここに至って自分が置かれている状況がようやく分かりました。スキーというのは自分の力量を見誤れば、簡単に死ねるスポーツなのです。思えば8年前のスキー研修の時、経験者なのに初心者向けの班を希望した人が何人もいましたが、彼らの気持ちがよくわかりました。本当に危ないのです。下までの道は見えている…のですが、今の自分の技術だと、下手をすれば滑走時、曲がり切れずに木に激突して…


A君のオレゴン留学記 -完-


それだけは避けなくてはなりません。で、結局急斜面はスキーを担いでそろりそろりと降りることにしました(号泣)。傍らを行く人たち、中には小学生くらいの子供もいます。人生で、これほどの


屈辱


を味わったことは錚々ありません。が、こっちは必死です。なんとか急場をしのいだ後は、ほうほうのていでゆっくり下まで滑り降りることができました。これで半日分位の体力を消費したのはいうまでもありません。

続く

*1:少なくとも家庭内別居の仮想体験はせずにすんだ。ETOMO Saga参照

*2:なに〜っ!食べるのか?なに〜っ食べないのか?、クエスチョンマークの応酬

*3:正確に言うと学科の学生が行うカレンダー販売の売り上げを旅費に充てているため。

*4:これを、最悪という

*5:日本のスキー場だったら上級者向け?